小技集 Tips
タカハシ ε210 電動フォーカス化
タカハシのイプシロン、ε-210。
有効径210mm、焦点距離628mm、口径比F3のアストロカメラです。
接眼部は精密な回転ヘリコイド式で、強固な回転装置付です。
システムのデジタル化に伴い接眼部を電動フォーカス化をしてみました。
1.フォーカーサーの決定
FLI Precision Digital Focuser (PDF)
重いカメラをミクロン単位で支えるには強固なフォーカーサーが必要になります
FLI社のデジタルフォーカーサー(PDF)を利用することにしました。
このフォーカーサーは約87mmの開口があり補正レンズを挿入することが出来ます。
また、約1ミクロンのステッピング移動を行ってピント調整をすることができます。
望遠鏡に触れることなく遠隔操作でピント位置を動かすことができるのでとても便利なツールです。
2.金具の設計
実際の設計は現在の光路長を考え寸法をあわせなければなりません。
ε210の接眼部を詳しく採寸し金具を決定します。
適正な光路長にするためε210の接眼部の回転装置を外し接続することにします。
金具の図面です。
A金具: 回転装置を外しそのベースとフォーカーサーを取り付ける金具
. No.2886008 3.75inオス−M118P1.0メス特殊リング(光映舎No.)
B金具: フォーカーサーと補正レンズを接続する金具
. No.2886007 84P1.0特殊リング (光映舎No.)
細かい指示を入れて図面を作成しそれを元に加工業者に依頼をします。
実際の製作は加工業者の技量にあわせます。あまり難しい製作をお願いするとコストや納期に
問題が出ますので、事前の打ち合わせが必要です。
3.実際の取り付け
左から出来上がってきた金具、望遠鏡取付け面、カメラ取付け面
ε210接眼部に取り付けてみることにします
順にA金具、FLI PDF、B金具、補正レンズ、タカハシ純正CA、冷却CCDカメラと取り付けます。
注):補正レンズのハンドル2箇所は事前に外しておきます。接着してありますので結構硬いです。
4.撮像テスト
MaxImDLCCDで撮像テストを行いました。フォーカーサー、カメラ、フィルターホイルが一括で
制御できるので大変便利です。
フォーカーサーのポジションは820でした。設計値では900(0.9mm)ですので、
良い数字が出ていると思います。